足の付け根(鼠径部)の膨隆(膨らみ)は、鼠径部と呼ばれる、太ももの付け根の内側の部分にできる膨らみのことです。この膨らみは様々な原因によって生じ、見た目だけでなく、痛みや不快感を伴うこともあります。

足の付け根の膨隆
足の付け根の膨隆
足の付け根(鼠径部)の膨隆(膨らみ)は、鼠径部と呼ばれる、太ももの付け根の内側の部分にできる膨らみのことです。この膨らみは様々な原因によって生じ、見た目だけでなく、痛みや不快感を伴うこともあります。
足の付け根に膨隆がみられる場合に、最も多いのが鼠径ヘルニアです。お腹の中の臓器(主に小腸や脂肪組織)が、鼠径部の筋肉の弱い部分や隙間から皮膚の下に出てくる状態です。
立ったり、お腹に力を入れたり(咳、いきみ)すると膨らみが目立ちやすくなり、横になると引っ込むことがあります。触ると柔らかく、指で押し込める場合もありますが、嵌頓(かんとん:押し込んでも戻らない状態)を起こすと激しい痛みや吐き気を伴うことがあります。痛みや違和感がある場合は、原則的に手術が必要です。
内鼠径ヘルニア、外鼠径ヘルニア、大腿ヘルニアなどがあります。
鼠径部にはリンパ節が多く存在します。感染症(水虫、性感染症など)、炎症、まれに直腸がんなどの腫瘍などによってリンパ節が腫れることがあります。
複数の小さな膨らみとして触れることが多く、押すと痛みや圧痛を伴うことがあります。感染症の場合は、発熱や倦怠感などの全身症状を伴うこともあります。
皮下に発生する腫瘍の中では最も多くみられる良性の腫瘍です。皮下組織にみられる浅在性脂肪腫と、筋膜下、筋肉内、筋肉間に見られる深在性脂肪腫があります。20歳以下には発症することはまれで、40〜50歳代に多くみられます。女性や肥満に多いといわれています。背部、肩、頸部(くび)などに現れることが多く、上腕、でん部、太腿など、四肢にもみられることがあります。痛みなどの症状はなく、皮膚がドーム状に盛り上がり、柔らかいしこりとして認められます。大きさは数ミリ程度の小さなものから直径が10センチ以上に及ぶものまで様々です。治療は手術による脂肪腫の摘出で、再発することはまれです。
表皮嚢腫とも呼ばれる病気で、体中のどこにでもできる良性の皮下腫瘍です。皮膚の上皮成分が皮内や皮下に落ちて袋を形成し、その中に垢や脂がたまってできた塊が粉瘤です。多くは数ミリ程度の盛り上がった状態から次第に大きくなり、数センチほどの半球状になることもあります。皮膚が破けると膿汁と臭い粥状の固まりを排出します。膿を出そうとして圧迫すると、袋が破れて脂肪組織内に散らばり慢性化してしまうこともありますので、内容物を無理に排出することは避けて早めに受診してください。
鼠径部の筋肉を痛めた際に、腫れや出血によって膨らみが感じられることがあります。運動後や急な動作の後に起こることが多く、痛みや可動域の制限を伴います。
以下の症状を伴う場合は、特に注意が必要です。
足の付け根の膨らみは、自己判断せずに必ず医療機関を受診し、医師の診察を受けましょう。
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